「晴れ。九時に参朝、三時過ぎに退出。廣澤と一緒に神田邸へと向かい、四時過ぎに帰宅。山縣狂介(有朋)が話をしに来た。記、夜、三浦梧楼が話をしに来た、斎藤も来た。」
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神田邸というのは、今は大手町の三井物産ビルがある場所に位置していた藩邸で、元は姫路藩のものであったのを、私自ら交渉して購入した思い出の物件だ。御覧の通り御堀の手前と立地条件は最高で大分気に入っていたのだが、それほど経たぬ内に政府の都合でまた引っ越さねばならなくなったのであった……
「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...
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