「晴れ。七時に舟で淀川を下り始め、四時頃に網島に到着。井上彌吉(勝)を訪ねたが不在であった。代わりにご老人に会い、彼と暫し会話した。昔と変わらず壮健であられた。山田を訪ねる。夜には佐々木、松本、河野と井上が訪れ、結局全員が泊って行った。」
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彌吉(勝)は所謂『長州ファイブ』の一人で、俊輔、聞多、山尾、遠藤の密航仲間だ。一年前の私の呼びかけに応え、以来、新政府の鉄道事業に携わっていた。当時の日本は技術力に欠け、イギリス人技師のモレルに頼りきりであったが、彌吉は良く学び、モレルが事業半ば斃れた後も鉄道開業に尽くした
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