2021/01/28

明治三年十二月八日 (1871/1/28)

 「昨夜から雨と雪。東山の景色の美しさは比肩するものがない。来客絶えず。槇村に東京宛の手紙と、プロイセンの青木周蔵宛の手紙を預けた。莱山から半紅の手による絹の掛け軸を購入。四時過ぎに京都を発ち、町中に伏見の鼈甲屋に到着した頃には、町中に灯がともされていた。山縣と高屋はすでに鼈甲楼に到着していた。」

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私は色々な長州人の兄貴分を務めてきたが、中でも周蔵には良く懐かれていたと思う。彼は早くから西洋に留学しており、少し先の話になるが、後にドイツ滞在中に現地の令嬢エリザベートと結婚した。貞介とは違い、こちらはちゃんと長続きし、ハナちゃんと言う非常に愛らしい娘さんにも恵まれた



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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...