2021/01/08

明治三年十一月十八日 (1871/1/8)

「雨、豪風。九時に参朝、三時に退出。槇村半九郎と船越洋之助に手紙を出した。大木民部大輔と、江藤中辨を招待し、廣澤もこの会合に参加した。東京に着いた殿川一助も来た。二人の芸妓、阿福と小照が酌をした。男共は十時に帰り、二人の芸者は一泊してから帰った。」

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小照と再会したのは、明治二年、正月の祝いの席のことであった。伏見での戦いから一年、当時の回顧を肴に宴を催したときに来た七人程の芸妓の一人が彼女で、私を呼び止めたのだ。彼女を通じて、私は今は亡き友達とかつて柳橋で過ごした時を思い出し、思わず人目を憚らず泣いてしまったものだ……

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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...