「雨、豪風。九時に参朝、三時に退出。槇村半九郎と船越洋之助に手紙を出した。大木民部大輔と、江藤中辨を招待し、廣澤もこの会合に参加した。東京に着いた殿川一助も来た。二人の芸妓、阿福と小照が酌をした。男共は十時に帰り、二人の芸者は一泊してから帰った。」
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小照と再会したのは、明治二年、正月の祝いの席のことであった。伏見での戦いから一年、当時の回顧を肴に宴を催したときに来た七人程の芸妓の一人が彼女で、私を呼び止めたのだ。彼女を通じて、私は今は亡き友達とかつて柳橋で過ごした時を思い出し、思わず人目を憚らず泣いてしまったものだ……
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