「晴れ。十二時過ぎに参朝。正午前後に強烈な雨。二時に退出、廣澤と馬車で彼の家に向かった。四時過ぎに山尾と、つい最近新居に引っ越したばかりの三浦梧楼を訪ねた。夜になり、雨足が強くなった。今日は一家総出で猿若劇場に向かった。」
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三浦は短気でヤンチャな若者で、私もよく弟分として可愛がってやったものだ。彼は何よりも薩長の藩閥政治を嫌っており(それで山縣とはいつも反目していたが)、情実の打破は私が信ずるところであったこともあり、よく膝を交えて話したものだ
「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...
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