「晴れ。十二時前に瓦屋を出て、高杉、野邨、毛利を訪ねてから、両公との謁見にお城へと向かった。岩倉卿が山口を訪れる予定であることを報告差し上げた。退出後、大津を訪ね、六時頃に瓦屋へと戻り宿泊。夜に雨。記、竹田の治療を受けた。」
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長州の両公については何から話せばよいか……御老公は人一倍に人物眼に優れ、強く民を想う心をお持ちの名君であった。年功序列を一切気にせず有能な若手を取り立て、また私欲野心を持たず、維新の折には他藩に率先して版籍奉還にご賛同下さった。この御方に仕えることが出来たのは私の一生の幸運だ。知事公(毛利元徳)は御老公とは縁戚の養子だ。小姓の一人が聞多であったこともあり、また年齢的にも御老公より少し過激なところもあったが、常に御老公を立て、二人一丸となり我々を手助けして下さった
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