2021/03/10

明治四年一月二十日 (1871/3/10)

「曇り。西郷が訪ねて来た。私は一行と共に、板垣、福岡、下村に会いに藩廟へと向かった。……の案内で、我々は騎兵寮屯兵所と調練所での調練を見聞した。雨が降り始めたので、三時頃に宿に戻る。西郷とは門前で別れ、大久保を訪ねた。福岡が私を訪ねて来たが、私は不在だったので、彼は大久保の所まで来て、昨日の提案を支持する決断が下されたと報告した。昨日、知事公(山内豊範)に和紙と鰹節の贈り物を頂戴した。」

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土佐和紙は平安時代に遡るほど由緒正しく、他の和紙より薄いのに丈夫だという素晴らしい特性を持った逸品だ。書道は勿論のこと、貝合わせや人形と言った工芸品、更には紙衣や弁当箱まで作れてしまうというのだから驚きだ。今では世界中で、美術品や文化財の修復にも使われているらしい



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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...