2021/02/08

明治三年十二月十九日 (1871/2/8)

 「晴れ。市中を散歩し、旧友を訪ね、亀山神社を参拝してから五時過ぎに宿に戻った。夜には大中と遠田と共に大阪楼を訪ねた。この新築の小茶屋の座敷で二、三杯ほど酒と会話を楽しんだ。能乃も参加した。十一過ぎに宿に戻る。遠田と宗像が芸妓を三人連れて来た。」

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下関の亀山八幡宮と言えば、俊輔と梅子さんの馴れ初めの地だと聞いている。イギリス帰りで、開国論者の筆頭のような立場にあった俊輔が身の危険を覚えて境内に逃げ込んだ際に、梅子さんに助けてもらった、と言う話らしいが……?



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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...