2021/03/28

明治四年二月八日 (1871/3/28)

「晴れ。山縣素狂(有朋)が訪ねて来た。岩倉大納言もお越しになられた。後藤象二郎も話をしに来た。四時に三条公の邸宅に向かうと、板垣退助、杉孫七郎、西郷吉之助、大久保参議が同席しており、我々は三藩に関する提案を建言した。時勢の変遷、世論の有様を考えている内に、私の心中にある悲嘆の気持ちが大きくなりすぎ、遂には今日の情勢に対する私の意見を論じ、不覚にも涙を流してしまった。六時に退出、杉と同じ馬車で帰った。」

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今こうして日記を読み返してみると、私は本当に良く泣くな……大久保は何も言わないが呆れた顔をするので、彼の前ではあまり泣きたくないのだが、一度想いが溢れてしまうと、もはや自分では制御できないのだから仕方がないだろう……

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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...