「晴れ。三条公と岩倉公が、昨日の建言の主意と、私の真意を尋ねにお越しになられた。三条公が山口藩建白についてお話をされるにつれ、私は自分の深情をご説明差し上げなくてはならないと感じた。六時前、廣澤の家に位牌を拝みに向かった。この悲痛は実に耐え難い。位牌を目の前にしても、彼が死んだとはまだ信じられない。河瀬が泊りに来た。」
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一体誰が何の目的で廣澤に手をかけたのか、必ず見つけるようにと天皇陛下が御命じになられ、厳重な調査が行われた。ポリスは一時、家令と妾が怪しいということで逮捕したものの、裁判の結果彼等は無罪放免となり、結局、暗殺の下手人は分からずじまいであった。私はその後も調査を続けるよう強く主張したのだが、やはり異人が害された時とは違い、この調査も次第に尻すぼみになってしまい、未だに真相は不明だ……
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