「晴れ。楫取と貞永が訪ねて来た。十時頃に宿を出て貞永の所に行き、酒と食事を楽しんだ。二時過ぎに山口城下町に入り、中村屋に向かった。そこから藩廟に向かい、御両公に拝謁した。私は東京での情勢を伝えると共に勅命をお渡しし、六時頃に退出した。大津と杉と共に小幡を訪ねたが不在。山縣を訪ね片山に向かった。プロイセン人のベルリンとも一緒で暫し話し込んだ。柏村権大参事、木梨連、殿川市助も同席。十一時頃に宿に戻る。今日、三田尻の土井屋に雛人形を贈った。土井屋はここ七年来の私の定宿で、主人の岡某に今年女の子が生まれたと聞いたからだ。」
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雛祭りの風習は古来よりあるものだが、雛人形を飾るのが人気になったのは江戸時代以降だと聞いている。私が贈ったこの人形は、江戸の後半から明治にかけて人気になった『古今雛』というもので、煌びやかな衣装や、水晶やガラスの玉眼が使われているのが特徴だ
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