「暁雨、十二時頃に晴れる。今朝、黒田了介(清隆)がロシア人達との会合について議論にやって来て、先日彼と検討した私の洋行についても話を交わした。永安和惣、太畑、鹿島達がやって来た。斎藤篤信斎もお越しになられた。近々海外に行く予定の典薬寮の医師、伊東も出立の挨拶に来た。四時過ぎに江藤を訪問し、今夜は宿直の任のため、彼の家から直接皇居へと向かった。今夜は正三卿(正親町三条実愛)が相役で、夜分には天皇陛下から御酒と食事を賜った。」
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斎藤弥九郎先生には足を向けて寝られぬ。剣の達人でありながら、早くから海外への興味をお持ちで、江川英龍先生とも良く交流なされており、私はその縁でペリー来訪後の海岸線の測量に携わることが出来たのだ。もし先生が私を紹介して下さらなかったら、今日の私は無いであろう
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