「晴れ。宍戸敬宇、山縣素狂(有朋)、片野十郎、林半七、三浦梧楼、内海精一郎(忠勝)、名和緩(服部哲二郎)、澤田達が話しに来た。」
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内海は山口の外れにある吉敷の貧家の五男坊だが、吉敷仲間の哲二郎共々、禁門の変からの歴戦の兵だ。俊輔に気に入られ、神戸で政府の為に働いた後、岩倉使節団にも参加して長崎・三重・兵庫・長野・神奈川・大阪・京都と各地の知事を歴任した。動乱期にには出自よりも能力の方が出世に重要だという話の良い例だ
「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...
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