「晴れ。雑多な来客。二時頃に大久保を訪ね、共に岩倉卿の所へと向かい、在京政府の役割等について議論した。夜十時頃に宿に戻った。」
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二人は幕末、まだ岩倉卿が蟄居される前、公武合体を目指し色々と画策していた時代からの付き合いだ。双方とも名より実を取る主義で、目的の為には手段を選ばない所も似ていた。少し妬ましい程に強い信頼で結ばれており、同志と言うよりはむしろ兄弟に近かったかもしれない
「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...
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