「晴れ。午前中に岡部仁之助と三好軍太郎宛の手紙を書き上げ、留守を守っている山尾宛の手紙と合わせて、吉田右一郎に託した。十二時頃に、杉と坪井と共に鶴浜の貞永に会いに行き、そのまま彼の所に泊まった。記、家主の文右衛門は上京していて不在。河野……が訪ねて来た。彼は先日雲揚丸に乗り豊後まで出かけていたのだが、今回日田巡察使の指図でこちらの港まで戻ってきたのであった。彼が見分してきたことについて聞くにつれ、これは私の願っていたところと正反対であったのは残念なことだ。早急に、日田県に抗議の手紙を出したい。」
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坪井は長州人には珍しく海軍の道を選んだ人間で、更に海軍の人間にしては珍しく米国留学経験者だ。戊辰戦争経験者でもあるが、一番活躍したのは日清戦争の黄海海戦で、第1遊撃隊司令官として華々しい戦果を挙げた。ちなみにこの時彼の指揮下、浪速の艦長だったのが東郷平八郎だ
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