2021/02/18

明治三年十二月二十九日 (1871/2/18)

 「昨夜から強烈な雪嵐が続いている。辺り一帯が銀世界と化したようだ。藤松、同町、貞永、そして平原平右衛門が訪ねて来た。一日中、語り合い、酒を飲み交わし、碁に興じた。ここ数日は寒さが厳しい。今年も終わりが近づいてきている。今年ほど閑静な除夜は、近年思い出せない。我々は昨冬の国難について話し、各々がどのように苦心奔走したのかを語り合った。平原が竹田作の掛け軸を二つ、山陽の掛け軸を一つ、伊孚九の山水画を持ってきた。」

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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...