2021/03/17

明治四年一月二十七日 (1871/3/17)

「曇り後雨。朝、長谷川を訪ね、彼の書と画を拝見した。吉井源馬が話しに来た。西園寺雪江も来た。品川省吾は訪ねて来た。山田と山縣が話しに来た。今日我々は、御親兵計画に着手する。鳥尾も話しに来た。一時過ぎに出発、大久保を訪ね、そこから軍の護衛に守られながら松島で乗艦。錨を上げる頃には二時過ぎになっており、神戸港には四時過ぎに停泊、布引屋に至った。航海中、まるで麻の如く乱れた雨が降っていた。夜、殿川と山縣が話しに来た。記、今日私が乗った船は先日浪華に向かう時のと同じ船であった。今朝発つ予定であったのだが、遅延があったのだという。霊鑑寺、宮内、西川、晋一郎と父君壮一が政府への建言書を持って来た。」

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布引は日本の三大神滝の一つで、伊勢物語に取り上げられているぐらいに古くからの名所だ。 広重の絵や、明治時代の写真を見てもわかる通り、非常に荘厳な景色で、私も滞在を楽しんだものだ。温泉宿等があった辺りは今は新神戸駅で、大分見た目も変わってしまったが、荘厳な滝は今も変わらず流れている




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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...