「晴れ。井上世外(馨)が訪ねて来た。下二介と米田虎雄が話しに来た。正三卿(正親町三条実愛)もお出ましになられ、今日の朝廷での評議の内容について伺った。明日は西郷、板垣、杉が召喚される予定だ。」
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正親町三条公は岩倉公の同輩と言うべきお方だ。二人は和宮降嫁運動の頃から二人三脚でやって来られており、大久保と廣澤に倒幕の密勅が下された時にも、岩倉公が起草された文を正親町三条公が書いたとされている。私より一回り上の方であったが、どうやら私を信頼されていたらしく、よく相談を受けた
「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...
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