2021/03/08

明治四年一月十八日 (1871/3/8)

 「曇り後雨。大久保と西郷が訪ねて来た。その前に板垣退助が来たので、私は彼に今回の旅の目的の大略を伝えた。彼とは三年来の付き合いで、昨年から頻繁に会っている。彼は時勢をよく理解しており、皇国の前途を見据えている。彼が藩政改革で作った実績は見事だ。諸藩が同様に奮っていないのは残念なことだ。私が今回の件について自説を唱えると、彼は一つの疑問もなく直ちに快諾した。彼は昨年からこの藩の大参事を務めている。下村珪太郎が訪ねて来て、私は明日大久保と西郷と共に会合に参加することを約束し、その後大久保と西郷を訪ねた。四時頃に、杉と宮城が私に会いに来た。今夜は、板垣大参事・福岡権大参事・下村小参事が訪ねてきて、藩政改革の件についてなどを議論した。宮城はこの改革について見聞する為にこの旅に付いて来たのだ。我々は酒を飲みつつ話をし、十二時過ぎに解散した。」

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板垣退助。彼との仲は若気の至りと言うか、一時の気の迷い(?)と言うか……大久保と仲違いした時には反動から、良く私の話を聞いてくれる彼と仲良くなったりしたのだが、実際同盟を結んでみると、実は余り深く考えてない所があったり他の変な連中が付いて来たとかで、少し苦労したものだ……



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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...