2021/05/15

明治四年三月二十六日 (1871/5/15)

「晴れ。十時過ぎに、御老公をお見舞いした。昨夜より、病は酷く酷く悪化してしまったようであった。それから藩廟に出仕し、先日経済的観点を見落としていた藩兵と献兵の一件について再度議論した。未だ最終決定には至らず。退出時に、山縣と共に長屋藤兵衛を訪ね、それから片山の所へ向かった。御老公の体調は如何か尋ねる文を認め、何とか元気を取り戻しになられ、気分も回復し、食事も薬もお召し上がりになられているとの報せを頂いた。担当医達も一安心していると聞かされ、安堵した。ただただ迅速な御快復を祈るのみだ。十一時頃に二水と中村屋に一泊。」

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明治四年五月十三日 (1871/6/30)

「晴れ。十一時頃に一時の豪雨と雷鳴。安玄佐とその倅が来た。井上世外が話しに来た。先日話した藩の会計局の一件や、その他の件の評議は先延ばしにされたようだ。十年後に待ち受けている大いなる災いが見えている者達はほんの一握りしかいなく、多くの役人達は目の前の問題に対応するのみだ。私はこの...