「晴れ。奥平二水と北川清介が訪ねて来た。重見二郎兵衛も来た。十時過ぎに藩廟に出仕し、同僚達と共に御老公の遺言を綴った。また御寝所の御遺体に手を合わせた。誠に耐え難い喪失だ。四時に退出し、御墓地を巡察し、五時過ぎに帰宅。今日は、廣澤謙蔵と従者が故、障岳(広沢真臣)の頭髪を持参する予定であったので、私は廣澤の家へと向かった。大津と柏村も既に来ていて、一行は八時頃に到着した。九時頃に帰宅。今日は終日、御老公を想い、友を想い、ただひたすらに悲しく、嘆きの涙を流す外ならなかった。この心情は筆舌に尽くし難い。」
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香山に位置する毛利家墓所は御老公や、知事公(元徳)、知事公の御子息など、主に幕末・明治以降の毛利家の墓地だ。この墓地の静謐な空気は、動乱期を生き抜かれた御老公にお休み頂く上で非常に好ましい……
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