「晴れ。野村靖之助が来た。今日は友の勧めで、馬関招魂祭に行く約束をしていた。また、とある長府の人間と会いたかったため、十一時頃、三好と共に三田尻に向かった。貞永を訪ね、彼の家に泊まった。夜、藤松、多之助、同町が話しに来た。三好は山城屋に泊まった。」
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野村は松下村塾の一員で、特に俊輔と仲が良かった。例にもれず松陰先生に傾倒しており、イギリス公使館の焼き討ち、第二次長州征伐での戦いなどに参加した。明治四十年に、松陰神社を建てるために俊輔と一緒に奔走してくれたのも彼だ。ちなみに俊輔の最初の妻は野村の妹のすみ子さんであった。俊輔はイギリスに渡航したり国事に奔走したりと何かと忙しく、そうこうしている内に梅子さんに出会い、すみ子さんと離縁することになったのだが、これがまた非常に良く出来たお人で、俊輔の御父母にもかなり気に入られており、私自身が間に入り離縁の説得をせねばならなかった
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